■原点は、外交・安全保障
 国政にお送りいただいて4期11年。「外交・安全保障」を基軸に活動してまいりました。その間、野党から政権中枢、ふたたび野党と立場を代えてきたものの、「外交・安全保障に与党も野党もない」という信念で動き、考えてきたことは間違いではないと思っています。
 総理補佐官時代、世界中のリーダーたちが自国の歴史と国益を背負って向き合う首脳会談に何度も同席し、どんな高邁な外交戦略を語っても、国民生活を豊かにできない指導者は国際的な信頼を得られないことを痛感しました。それだけに、この2年のアベノミクスがもたらした国民生活の危機に焦燥感を募らせてきました。
■見えない現実に光をあてる
 アベノミクスによって、主要1000社の本年度決算は前年比で1兆3400億円もの増益。しかし、史上最高益を記録した輸出関連の大企業ばかりたった10社で増益総額の約8割を稼ぎ出すという極端に偏った経済構造をつくってしまいました。
一方で…
【子供の貧困】小学生の6人に一人が貧困状態です。貧困の世襲化は、子供の未来を奪っています。貧困は、子供たちから夢や生きる力を奪います。「教育こそ貧困の解決策」と信じ、子供たちの教育機会を増やしたいのです。
【非正規労働】労働者の3人に一人が非正規雇用です。この2年間に100万人増えました。これは、社会制度の問題です。結婚・出産・子育ての環境を整えることしか人口減少に歯止めをかけることはできません。
■世界から日本を見直してみると
 安倍政権はアベノミクスを「この道しかない」と断言しています。果たして、アベノミクスは本当に日本経済をデフレから救い出す唯一の処方箋なのでしょうか?
 世界では、ドルを基準に国力比較をします。安倍政権発足時514兆円だったGDPは現在522兆円となり2年間で多少拡大したとされています。しかし、その間に急激な円安になっているので、ドル・ベースで換算するとGDPは約6兆ドルから約4.8兆ドルに縮小してしまいました(次頁の図1参照)。世界の評価は、「アベノミクスで日本経済は縮小してしまった」というものなのです。
■未来に誇れる日本へ!―私の大義
 日本がめざすべきなのは、「しなやかな社会」です。この道しかないと硬直するのではなく、多様な政策を紡いで、一人ひとりの能力が最大限発揮できる社会を創るのです。子育ての壁、介護の壁、障がいの壁、年収の壁・・・。政治は、一人ひとりの活躍を阻むこれら制度の壁を一つ一つ取り払う地道な作業の積み重ねです。
 私は、2012年の国連報告書が世界一の太鼓判を押した日本の「人材力」を信じています(3頁下段コラム参照)。この人材力の発揮を阻む壁を取り除くことができれば、ノーベル賞学者ももっと輩出できるはずですし、新産業も生まれ、日本経済は再び力強さを回復するはずです。人への投資こそ未来への投資なのです。
 皆さん、「未来に誇れる日本」を一緒につくりましょう。

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